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8月の新書オーバービューというか、最近出ている「家電敗戦」系について

9月の本は期待が持てるものが多いが、8月はそうでもない。シャープがホンハイに資本提携するしないでもめていたためかは知らないが、この半年「家電敗戦の本質」的な新書をよく見る。「アジア実力派企業のカリスマ創業者 (中公新書ラクレ)」を読んでいると、ハルバースタムの「覇者の驕り」じゃないけど、日本の家電メーカーが利幅の出る商品の開発を優先して低価格帯やボリュームゾーンのコスト低減の努力、あるいは研究しやすくそこそこ利益が出る日本市場を優先した商品開発に注力した結果、世界への観察を怠り、最初は途上国で、そのうち、北米やヨーロッパでマーケット奪われたのではないか、と多くの本で指摘している。今にして思えば、ケータイ敗戦になぜ学ばなかったのだろうという感じだ。20年前から10年前にかけて世界を席巻した日本家電も、今や第二次大戦末期のごとく日本以外のほとんどで市場を取られ、本土も風前の灯だ。シャープがこけてから、みんな口をそろえてシャープを批判するが、個人的にはシャープのチャレンジ自体は評価すべきだと考えている。マーケットは生モノだし、決定当時は些細な要因と思えたデメリットが予想外に悪く出ることもある。失敗の主因は液晶パネル工場の負債のようだが、水平分業化でコスト低減が進んでいるのに反して自社工場を建ててしまったこと、エコポイントや地デジ化で需要が一時的に巨大化した巨大テレビがさらに売れると誤った判断をしたことだろう。長い目で見ればNECに比べて、未来はありそうな感じはする。

長い余談でしたが、amazonでレビューを書かなかった本でいくつか。「ニッポンの踏み絵 官僚支配を駆逐する五つの改革 (幻冬舎新書)」は、改めて行政機構の監視が必要であることを再認識させられた一冊。諸外国の多くで地方議員は名誉職で、実費弁償とのこと。国会議員も報酬は多額にならなず、名誉職のところもある。日本は国会の隣に議員宿舎があり、文書交通滞在費が月100万も支給される。これとてもともとは、「上京すると宿泊しないといけない」という理由からだった。世襲議員が問題になるが、これは政治で飯を食うことが可能だからと著者は言う。河村たかしは、「議員は名誉職にした方が金が続かなくなって、政治家を何十年も出来ないから、人材が流動化する」と話す。儲からないから議員をやらないのか、議員をやるのか…よく分からないが。ほかにも、知事は1期やると億単位の退職金が支給されるという。

ホテルオークラ 総料理長の美食帖 (新潮新書)」は、小野正吉という名シェフの名前を知ることができたという意味で読んでよかったと感じた一冊。小野は、それまでコストは二の次だった日本のフレンチキッチンに、アメリカ式の原価計算を持込む。優秀なシェフをフランスに派遣していた当時のフレンチ界の慣習に倣い、著者らをフランスに派遣した一方で、並行してフランスからシェフを招くなどして、ホテルシェフ全体の底上げを図ろうとした。ちなみに著者は欧州修行中、ロンドンを訪問し、世界最高峰のローストビーフと称される「シンプソンズ」で食したそうだが「うちのムッシュの方が美味しいのではないか」と感じたという。小野ムッシュの得意料理で、今もオークラのスペシャリテとのこと。日頃は吉牛が大好きな私もローストビーフが好物なので、オークラのローストビーフがそんなにうまいなら食べてみたいな。

8月は「これがズバ抜けて面白い」という本はなかった。「東京いいまち 一泊旅行 (光文社新書)」が割と気楽に楽しく読ませてもらったが、あくまでエッセイであって、知的に何かを探索しようという本ではないので、まあそれなりにという感じか。

2,3年前から大本命視されていたとはいえ、iPSが発見から6年という異例のスピードでノーベル賞を取ってしまったので、これから2,3ヶ月後には、iPS関連の新書が出るのだろうか。「「大発見」の思考法 (文春新書)」はノーベル賞を受賞した益川敏英が相槌を打ちながら山中教授の話を聞くという、ある意味すごい本。去年段階ですでに受賞は確実視されてはいたが……。山中先生は学生時代、理数大得意だったそうだが、今は微積や生物を高校生時代の子どもに聞かれてもよく分からないらしい。「お父さん京大の先生なんでしょう」……研究に入って数学は全く使わなくなったが、実家の町工場の在庫管理のためにPC9801でプログラムを作った経験が、iPC研究のデータ解析で生きたという。これも、21世紀型の研究を感じさせる。

ほかに年末から年始にかけて、民主党政治総決算とか、領土問題、中韓米の新体制の予想なんぞなんぞでてくるのだろうか。
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