うなんね新書レビュー ホーム » スポンサー広告 » 未分類 » 12月の新書オーバービュー

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

12月の新書オーバービュー


特別秘書が書いた小池都政の公約集と100日戦記。ガイドブックの域は超えないが、それでもある程度の戦略は見えてくる。小池氏の当選時、「自民党とはよりを戻す」とか、著名ブロガーの「野田氏は極右だから極右政権になる」という、今からすれば随分と的外れな展望が多かった。だが、著者・野田氏を知る人から見れば、氏の起用を見て、小池知事が自民を見切ったことを理解しただろう。「翌年の都議選に向けて新党を立ちあげるため、都内の選挙に精通し、元都議で都議会に太い人脈を持つ著者を連れてきた」と容易に推測がつくからだ。野田氏はかなり右ではあるが、主義主張は意外と柔軟で、率直な物言いをする人物……だった気がする。さらに言えば、20年近く小池氏の忠臣である。知事当選時、「都議選も20議席、第3勢力は行けるなあ」と思っていたが甘かった。本当に過半数取れそうである。

野田氏と自民党は、過去に水に流せない決別がある。本文にある樺島氏の自殺がきっかけかしらないが、著者は自民党を離れた。さらには都議もやめ、2012年にほぼ敗戦確実な衆院選に東京20区から立候補する。小池新党について、ブロガー都議に注目が集まっているが、真に注目されるべきは著者だろう。たぶん、石原時代の浜渦さん的な位置にいる、力のある秘書である。

小池新党から出馬する人は必読だろうし、東京政局・都政に関心のある人は読んで損はないけど、「小池陣営の公式ガイドブック」なので、こういう公約に力を入れるとか、自民都連は因習にとらわれてるとか、きれいな話のみ。小池陣営に石破系スタッフが相当いたんじゃないかとか、国政対応はどうするとか、そういうコンフィデンシャルな話はなし。野田氏本人を直接知る人なら、まあ想像のつく範囲で、買って読むほどではないかと。なお、本書についているAmazonの星5レビューの大半は捨て垢。今どきこれは行儀がよくない。




ジンバブエやマラウイでグーグル検索ワードベスト10に入る、中古車専門のECサイト「ビィ・フォワード」社長の商売記。年間14万台を売るという。それまでアフリカのエンドユーザーが中古車購入に日本の業者→輸出業者→現地業者という3者を挟んでいたものが、中間をスキップしてECでいきなり買えるようにしてしまった。著者が進出するまで、日本車の輸出はパキスタン人の独擅場だったが、ビィ社はEC上に車の数十枚の写真を掲載して透明性を上げることで信用を勝ち取り、輸送もドバイ経由ではなく、RORO船でアフリカに直航するので破格に安い。

本書が面白いのは、著者の成功を語りつつ、中古車業界の基本的な仕組みを説明している所だ。買取業者がオークションに出し、競り落とした車を売る販売業の3層構造になっているという。そして著者の経営ポリシーも明確。「在庫は持たない」「薄利多売で取引回数を増やす」「資金効率を上げる」という。料金先払いにすれば、車を現地に送る前に、次の車を買える。在庫がたまると値引きが必要だし、取引に何年もかかると収入がかかる。「利益が他社の半分でも、他社の3倍速で在庫・現金が回転すれば、他社より儲かる」。なるほど。

アフリカ人が自分でやっていた通関も現地パートナーがやってくれる、内陸国にはコンボイで車を運ぶ、さらにはコンボイで運送業もやるわ、内陸から客を運ぶわ……「アフリカの物流を変えたい」という稀有壮大や野望で終わってるのがすごい。10年後の本を読んでみたい。


今月一番面白かったのは中公新書「ポピュリズムとは何か」。波に乗ってしょうがない中公である。
スポンサーサイト
コメント
非公開コメント

トラックバック

http://unanne.blog41.fc2.com/tb.php/205-c2665831

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。