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3月の新書オーバービュー

 3月は読んだ本は多かったものの、残念ながらどれも今一つ。特筆するほど面白い本はすべてAmazonに放流したので、ちょっと気になった2冊だけメモ。

 「30代からの仕事に使える「お金」の考え方 (ちくま新書)」はあまり売れ行きが芳しくないようで、話題になっていない。まあそうだろうなあと。社内で新規プロジェクトを立ち上げている人がメーンターゲットのようだが、そういう人はこの本を読んでるほど暇じゃないだろう。ただ、商売する上でキャッシュフロー・利益率がいかに重要かを解説し、「お金を早く回収できるビジネスは強い。そういうビジネスを構築せよ」という。
 消費者目線で見ると、なぜ商品・サービスを売る側が「早割」とか「電子マネー」を使わせたがるかがよくわかる。資金繰り・回転の話が繰り返し出る。在庫・売掛金は商流を止める。在庫は1か月分以内、運転資金は1か月半分以上にする。また、固定費を考えると、売り上げ減より利益率減の方が企業のダメージは大きい。

 本書でもう一つ参考になったのは、「自分の預金口座をモニタリングしなさい」という助言だ。「預金口座の移動をExcelでグラフに落とす」と。確かにこれで月次の口座収支が赤字か黒字か一発でわかる。私も早速取り入れることにした。


 もう一冊は「貧困世代 社会の監獄に閉じ込められた若者たち (講談社現代新書)」。ソーシャルワーカーとして、生まれ持った格差からはい出せない若者を多く見てきた現状を書いている。親が全く頼りにできない、というか寄りかかられる。また、住居費用が高すぎるために実家から出られない、学費も高額化し費用を自弁せざるを得ないからこそ、ブラックバイト問題も起きる。著者から貧困化を防ぐ政策を、財源も併せて考えて出していて好感が持てる。

 ただ、いくつか気になる点があった。帯に「結婚・出産なんてぜいたく」とあるが、出産の話はあるものの、結婚、または複数人同居は固定費を安く上げるので、貧困対策にはむしろ望ましいのではないか。
 また、「昔はもっと大変だったという時代錯誤的神話」「物質的には貧しくても人間関係は豊か(p75)」というのも……。著者は「ジニ係数が高まっている」というが、著者が別項で引用しているピケティもいうように、戦前の貧困格差は今とは比較にならないほど大きかった。「戦友も見捨ててジャングルを1000キロ逃走した」「北朝鮮で強制労働させられ、冬は毎日死体を穴に投げ込んで……」という話を聞くと、「昔は人のきずながあってよかったですね」「今の方が大変ですよ」とはなかなか言いにくい。もちろん今は今で大変である。というより、それぞれの時代ごとで苦労があるのではないか。あたりまえのことを言っても面白くないのだろうが、ことさら世代間闘争を煽りたくはない。マジョリティである中高年が身を切らないと、若者対策はできないだろう。

 今月一番面白かったのは「バターが買えない不都合な真実 (幻冬舎新書)」。旬のトピックで、ちょっと難しめだが、専門書より全然わかりやすい、という新書のニーズに合致したいい本。著者の農政・JA批判は5年以上前から枠組みは全部一緒だが、商売あがったりにならないのは、それだけやればやるほどムダ金という「農政」のバカバカしさなのだろう。「畜産に補助はいらない」「米の高価格維持をするくらいなら、その金で小麦を備蓄する方がマシ」。消費者ではなく、JA・農家しか向いていない農政は歪んでいる。いずれ変わるだろうが、日本が破たんする前に変われるのか……
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