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9月の新書オーバービュー(中国関連)

  9月に購入した新書は中国関連の本が多い。汚職摘発と言論統制に最重点を置く習近平体制を考えている。激烈な情報統制ぶりにうんざり……という内容が多かった。「なぜ、習近平は激怒したのか 人気漫画家が亡命した理由(祥伝社新書)」は、そのものずばり。胡錦濤時代に比べ、ネット論壇への圧力は激烈になった。オピニオンリーダーは軒並み逮捕され、アカウントは実名登録。この激烈な言論弾圧の目をそらし、大衆受けを狙って高官の汚職摘発を熱心に行っているという。
 胡錦濤時代末期やアラブの春で、ネットが大規模デモの震源地になったことを習近平体制は恐れている。弾圧の反面で、萌えキャラやAKBもどきを使って共産党・軍への支持を集めている。
 先日終わった「一人っ子政策」についても「罰金が地方政府の収入源になっているため、なかなかやめられない」と理由を語っていてなるほどと思う。

 定評のあるチャイナウォッチャー・富坂聡の「習近平の闘い 中国共産党の転換期 (角川新書)」も「なぜ習近平は……」とほぼ同工の本。「以前は中心街の大通りだった接待クラブが、郊外の路地裏に……」と汚職摘発・監視の舞台裏をもう少し細かく描いている。
 本書で最も注目したのが、「言論統制でもメディアは満足している」という指摘だ。「言いたいことも言えないんじゃ……」と思うが、党中央、反共産党、ポルノ以外は自粛の必要はないのだという。昨年話題になったマックの上海工場のような食・環境問題は自由に取材できる。何よりネットにしろメディアしろ、自分たちがやり玉に挙げた地方官僚が処分されると、使命感は満たされる。そもそも、毎日数百人の官僚が失脚しているのだから、そのニュースをフォローするだけでも忙しい。記者の士気はむしろ高い、とのこと。

 「「中国共産党」論―習近平の野望と民主化のシナリオ (NHK出版新書 468)」では、「農村暴動で中国は民主化しない」とする。農村暴動はあくまで地方官僚の横暴への異議申し立てであって、省や北京など上級政府に請願しているのだという。著者は漸進的な民主化の可能性は「まだある」とするが、「行政特区」的な部分開放まで、超権威主義の習近平体制が認めないのではないかと思うが、どうか。

 上記3冊の四面四角な政治論と異なり、「中国人の頭の中 (新潮新書)」は肩の力を抜いた中国での日本文化のエッセイ。著者は「うんざり」というのだが、抗日ドラマの話題が面白い。文字通り日本兵がバッタバッタとなぎ倒される。抗日は中国で正義なので、「悪辣な日本兵」が成敗されるのは正しい。本来、検閲を気にせずやりたい放題できるはずだった。
 とはいえ近年、量産しすぎて架空戦記化し、共産党の正統性に傷がつきかねない状況になってしまった。「芸者の装いの日本軍女性兵が、BGMに北国の春が流れる日本料理店で密談する」、「強姦されそうになった抗日女性兵がいきなり矢で日本兵数十人を秒殺する」「抗日英雄が素手でイカを裂くように日本兵を引き裂く」……・著名俳優も「歪曲である」、国営テレビCCTVも「こんな簡単に倒せるなら、我が党の8年間の闘いはなんだったのか」と批判し、最近はようやく娯楽性の強いものは規制されることになったという。

そのほかに読んだ9月の新書は、近日中に(2止)で詳報予定。
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