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惑星探査入門


惑星探査入門 はやぶさ2にいたる道、そしてその先へ (朝日選書)惑星探査入門 はやぶさ2にいたる道、そしてその先へ (朝日選書)
(2014/12/10)
寺薗淳也

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 月以遠の「深宇宙探査」での今後の目標を語る本。太陽系の様子はおおむね明らかになのかと思っていたが、とんでもない。実はほとんど分かっていない。人類が探査機を着陸させた惑星は、まだ火星と金星だけだというのを、私は知らなかった。知らないことが余りに多すぎる。これまでの月・惑星探査で解明できたことを紹介しつつ「何が分かっていないか」、そして「今後何を解明しようとしているのか」を本書は解説している。

 人類で初めて小惑星に着陸・帰還した「はやぶさ」は感動的なミッションだった。しかし、はやぶさはあくまで「行ける小惑星に行く」ミッションだった。次の「はやぶさ2」は「行きたい小惑星に行くミッション」と著者は言う。はやぶさの陰に隠れて関心を集めなかったが、21世紀月探査の先駆けになった「かぐや」の成果(縦穴の発見など)も詳しく書かれている。

 日本と月惑星探査を競う「宇宙先進国」米ロ中印の近年の研究動向・展望にも触れている。ロシアは近年低迷しているが、インドの急速な技術進歩には驚く。日本も失敗した火星への探査機周回軌道の投入に一発で成功した。中国も米ロに続き月面軟着陸に成功し、10年後には月有人探査を狙っているという。また、米国も小惑星を地球まで引っ張ってくるという奇想天外な探査計画を持っている。

 日本は五大国の中で群を抜いて開発人員・予算が少ない、日本は打ち上げ回数が10年に1度程度しかない。近年の月惑星探査は、数年に1度コンパクトな衛星を打ち上げるのが主流だという。打ち上げ回数が多い方が、技術が蓄積されるし失敗に伴うリスクが小さい。開発期間や予算も小さくなるという。中国の嫦娥計画のように3年に1回ずつ打ち上げ、周回→着陸と確実に難易度を上げていくような長期的な月惑星計画がないと、「はやぶさの成果も維持できない」と訴えている。

 なお、日本は「はやぶさ」シリーズ以外の月惑星探査機を打ち上げたのはたった3度。成功したのはかぐやだけで、金星に打ち上げた「あかつき」、火星に打ち上げた「のぞみ」は軌道投入に失敗した(あかつきは今年リトライする)。そして、はやぶさ2以降の探査計画は未定だ。予算の縛りは厳しいが、「未知の世界を知る」好奇心に応える、科学技術を愛する国民性の土壌、技術者の育成・継承のために、月・惑星探査は必要だと訴えている。「はやぶさ」であれほど熱狂したんだから、「楽しみ」という側面もあるのかもしれない。

 著者の運営するサイト「月探査ステーション」も面白く、一読の価値がある。
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