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8月の新書オーバービュー

 8月は例年夏枯れをやり過ごす時期ながら、それなりにいい本が多い月だった。

 最近、ダメな再雇用シニアの本が流行なのか、今年に入って3,4冊はダメシニアの本を読んだ。「60歳までに知らないとヤバい 定年再雇用の現実 (角川SSC新書)」もそんなダメシニアの本。高齢者雇用アドバイザーなる国の非常勤職員で人事の人に聞いて回る仕事をしたとのことで、インタビューした人事の人たちのげんなり感というか怨嗟の声で埋め尽くされている。面白い。レビュー書きたかったなあ。
 管理職から平の営業・事務なり製造ラインが多いそうだが「仕事を覚えない」「会社に甘え、食い扶持を自分で稼ぐ意識がない」「他人に干渉して作業を止める」「機転が利かない」「給料が安い、現役時のポストに見合わないと文句をいう」……やれやれだぜ。自分も知ってるけど。女性の再雇用者は好かれるという。環境の変化に順応しやすいし、専門職の人が多いので引き続き同じ仕事を担当するので、ハレーションが起きにくい。

 「昆虫はすごい (光文社新書)」は2年前の中公のスマッシュヒット「植物はすごい - 生き残りをかけたしくみと工夫 (中公新書)」の書名も内容も翻案していると思われるが、ネタの中身は本家よりすごい。もちろん本家も面白いけど。敵なり餌なりをだます昆虫が多い。メスボタルと勘違いして飛んできたオスを食う別種のホタル、違う動物の体内に卵を産み付けるハチ。人智を超えている。
 著者はアリが専門とのことで、後半はアリの話。アリの巣に寄生する愉快な仲間たち。運ぶ途中に横取りしたり、巣から出た残り物を食べたり。幼虫もよその虫に食われたり奴隷アリにさらわれたり。アリは農業も牧畜も奴隷制もある。今後10年くらい、出来の悪い昆虫うんちく本のネタ本になりそうなすご本。写真も100枚以上あって素晴らしいのだが、ゴキブリ、ハエ、シロアリなどグロい。これもレビューを書きたかったが、結局あのこの昆虫はすごい、あの昆虫も……と羅列して終わりそうなのでやめた。

 8月一番話題の新書だったと言えそうなのが中公の「地方消滅 - 東京一極集中が招く人口急減 (中公新書)」。「日本創成会議」「地方創生大臣」。紛らわしくて誤解した。でも、新設された政府の「創生会議」に「創成会議」のメンバーが2人入ってることといい、7割位の政府方針の上に、自主提言を乗っけた内容といい、内閣府か総務省から本音でやりたいことを、民間に代弁してもらったというのを強く感じさせる本。
 民間企業だってリストラしたい時、コンサルのレポートを理由にやること、結構あるしね。論文のファーストリリースが中公というのもね。「全自治体を救うのは無理だという地方対策をパッケージで考えてくれ」という意を体して「民間ワーキンググループの提言」という形で、生産性本部が出したんだろうなあ。ちなみに内容は正しいと思う。人間を東京に吸い上げるのって良くない。とはいえ、全国津々浦々に人間がいる状況はもはや不可能になりつつある。地方の都市圏内で押しとどめる必要がある、と。いまはやりの進撃の巨人で例えると、人口減はウォールマリアを突破した感じなのか。

 「首都水没 (文春新書)」は、東京都隅田川東岸が洪水が繰り返す地帯だったことを強調している。ナイルの賜物じゃないが、年中行事のように洪水を繰り返し土壌が豊かになる。今は地盤が沈下したものの、利根川東遷事業以来の治水努力でなんとか大水害を避けている。水元、堀切、瑞江などなど水害と切っても切れない関係だったことを示す地名も多い。

 「昆虫はすごい」が今月一番すごかった。すごさを表現する力量がないのが残念ではある。
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