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6月の新書オーバービュー

 早くも夏枯れ感が漂っていた6月の新書。それなりに読み応えのある本はあったが、総じてのめり込むような感じでもなく、淡々と読むばかりだった。

 90年代末から、手口がシステマチックになった詐欺業界の組織化に大きな貢献をした男に重鎮・溝口敦が聞き書きした「詐欺の帝王 (文春新書)」は、インパクトがあった。大学生時代からイベサーの帝王で鳴らし、大手広告会社に入るもスーフリ事件の巻き添えで退社、ヤミ金で大成功したという。ディナール詐欺の考案者でもある。本書から、溝口という第三者の眼を通して書かれた闇社会の快楽や恐怖を感じる。創作ではないはずだが、正直どちらでもいい。殺しや振り込め詐欺を警察から隠し通す方法、違法合法問わず税金だけはしっかり取る国税など、ブラック味あふれた作品。私の知らない巨大な闇社会が、この国の中でパックリ口を開いている……夏の怪談ですな。

 定評のある航空アナリスト・杉浦一機の「日本の空はこう変わる―加速する航空イノベーション (交通新聞社新書)」は、国内航空各社の展望を書いている。スカイマークのでは、のコーナーで「A330の導入に注目」とあった。当時は高級シートの導入で話題だったが、今やそのキャンセル違約金で破綻の瀬戸際に立たされている。航空業界の栄枯盛衰の移り変わりは速い。JALも5年前は「沈まぬ太陽」の影響もあって、お笑い企業の一番手だったのが、今では無借金優良企業だし。

警視庁科学捜査最前線 (新潮新書)」は5年前、警視庁刑事部に設立された捜査支援分析センターを中心に、防犯カメラ解析で進化した重大事件捜査の手法を書いている。都内の駅周辺や大規模施設には必ず防犯カメラが設置されている。犯人と被害者に接点のない殺人事件で、犯人の逃走経路をカメラで追うことで、居場所を掴めるようになった。街中に防犯カメラが設置されることにプライバシーの問題からの反対は少なくないが、これだけ事件解決に役だっていることを読むと、必要悪かなと感じる。

 6月一番いいなと思ったのは「「NASA ―宇宙開発の60年 (中公新書)」。科学技術史上最も成功した計画、アポロを支えたNASAという組織の歴史を描いた力作。イノベーションに満ちているように見えて、常にワシントンや軍産複合体と付かず離れずの関係を保たなければならない「役所」の難しさが非常によくわかる。技術と役所、両方に通じた著者だから見える視点だと感じた。
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