うなんね新書レビュー ホーム » スポンサー広告 » 新書 » 1月の新書オーバービュー

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

1月の新書オーバービュー

月も24冊の新書を購入。毎日1時間程度の読書時間でなので、どんどん積み上がっていく。読みだすと止まらない、レベルの高い本が多かった。今年は新書の当たり年なんじゃないかと。ただ、アマゾンレビューに書こうか書くまいか模索中の本以外は、そんなに気にならず。ということでレビューを書いた本以外で、気になる本をメモ。

新京都学派: 知のフロンティアに挑んだ学者たち (平凡社新書)」は同志社出身なのに、なぜか京大どっぷり紹介の本。著者は学生時代から京大人文研に足繁く通い、卒業後は朝日の関西論壇記者として、新京都学派に取材したという。両校間歩いて30分かからんからなあ。代表的な学者の紹介にとどまっていて、もうちょっと学問の特徴、潮流を語ってほしかった。おそらく戦後まもなく、桑原武夫が人文研を立ち上げて、梅原猛が日文研をスタートさせるあたりで終わっているのだと思うが。京都学派は異端、変人という研究者も面白いと思えば取り込み、自由な発想で研究する。何事も東京一極集中の時代だが、一点賭けは危うい。実際、京大はES細胞研究で国内トップを走りながら、ほかの作製法を模索し研究者をスカウトしてきた。学際研究、社会への関与などは新京都学派が先鞭をつけたとのことだった。新京都学派は戦前の京都学派の戦争協力、自身の過酷な戦争体験がベースにあったためというが、元朝日記者らしくというか、反戦反原発で締められていたのはご愛嬌か。

物語 ビルマの歴史 - 王朝時代から現代まで (中公新書)」は英国と日本支配、軍政と民主化運動に絞ったビルマ史。賛否両論のようだが、ビルマ史のハイライトである独立前後のゴタゴタ、民主化の動きを深掘りし、可視化しているので、良い本だろうと思う。「独立の父」アウンサン将軍の暗殺は、植民地ビルマ元首相により、閣議中の閣僚全員を暗殺するというすさまじいもので、著者は、この事件がビルマ政治にのちのちまで響いたと見ている。


杉並・和田中の前校長が書いた「校長という仕事 (講談社現代新書)」は、学校運営の実務から始まり、最後は学力を向上させる「和田中式生活指導」を示す。和田中は藤原校長による学校改革以降、学力も学習意欲もともに上がり続けた。朝飯は必須、0時には就寝、デジものは2時間。新聞を読ませて意見を書くという授業もしているという。しかし意識の高い和田中でも新聞購読者は世帯の半分とか。斜陽産業と言われるわけか。この辺りは、子ども持ちには役立つだろう。でも、元リクで2代続けて成功した和田中式も、いつまでも元リク校長が赴任するわけにもいかないだろうし、元リクだから来てくれた田原総一朗も普通の校長なら来ないだろうし、普通の校長になってレベルの高さを維持できるかが試金石になるか。また、杉並は全国一と言っていいくらい保護者の意識が高い。和田中式が成功したのもこの土地柄あってのことだと考える。よその学校、自治体では形だけまねても難しいだろうなあ。

日本版NSCとは何か (新潮新書)」は難産の末成立した特定秘密保護法に保護される情報を多く扱う組織。ちょっと出来が悪い。本家米国の事例研究と日本での成立の経緯が内容の大半。何をどういう風に仕事していくのかがパッとわからない。著者が日米安保問題の専門記者だから仕方ない面はあるが、日本の組織と今後の対応、特定秘密保護法とのからみ、韓国など諸外国との比較など、入れるべき要素はほかに多かったと思う。しかし、類書がない状況では本書をまず手に取らざるをえないか。スコウクロフトが米史上最高の安保補佐官というのはわかった。

今月のベストは悩む。「〈辞書屋〉列伝 - 言葉に憑かれた人びと (中公新書)」、「つながる図書館: コミュニティの核をめざす試み (ちくま新書)」、「国際メディア情報戦 (講談社現代新書)」、「日本軍と日本兵 米軍報告書は語る (講談社現代新書)」。4冊とも普段の月なら、一番良かったと言い切れる本。内容の質の高さでは「国際メディア情報戦」、読み物としての質の高さでは「辞書屋列伝」、ほかの2冊も質、読み物としての面白さは高い。敢えて言えば、情報としての価値も高い「国際メディア情報戦」か。
スポンサーサイト
コメント
非公開コメント

トラックバック

http://unanne.blog41.fc2.com/tb.php/140-3713d81c

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。