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12月の新書オーバービュー

今年も12月に27冊と大量購入したために、大幅に読み遅れてしまった。北朝鮮関連の本が3冊出ていた。金正恩体制1年という節目でということだろうが、まさかの張成沢粛清で、メインテーマにした「金正恩の北朝鮮 独裁の深層 (角川oneテーマ21)」「北朝鮮経済のカラクリ (日経プレミアシリーズ)」は出版直後に書き直しせざるを得ないほどの内容になってしまった。いい迷惑である。北朝鮮を論じるのは難しい。ほかに岩波を中心に、韓国本がやたらでていた。岩波の「日本は謝罪しろ」、嫌韓の新星・室谷の「呆韓論」も、モラリズムにとらわれていて、歴史問題の正邪論で止まってたら、永久に殴り合いを続けることになるだろう。難しい問題。韓国本は機会があったら、別項を立てて検討してみたいが。

知の武装: 救国のインテリジェンス (新潮新書 551)」は、てっしー&ラスプーチン対談本。佐藤優も現場を離れて久しい上、新鮮味のない本を乱造気味でちょっと手を引こうかと思っていた。しかし、この本は佐藤らしい分析眼を少しだけ感じる。朝鮮総連本部を落札したぁゃしぃモンゴル企業について、なぜか駐日モンゴル大使が出てきて「ペーパーカンパニー」と言い切った。日本語が流暢なのもびっくりしたが、なぜリスキーな北朝鮮問題に首を突っ込んできたのか。本書を読んで、このフレンバータル大使の前任が駐朝大使だったことを知った。日本専門家で北朝鮮にも詳しい。佐藤は「非常に有能で日朝交渉のモンゴルルートにおいて、彼はキーパーソン」という。北朝鮮において、モンゴルは大使館の格が高く、中ロとともに平壌の真ん中に大使館を置くことを許されているので、平壌の政治が肌で分かる。またフレンバータル氏は有能であり、ロシアでパノフ元駐日大使に日本語の指導を受けたため、ロシアの日本通とも縁が深い。あの会見も思いつきではなく、彼なりの判断あってのことなのかと思った。

そのほか気になった本をいくつか。「JR崩壊 なぜ連続事故は起こったのか? (角川oneテーマ21)
」は、鉄道評論家だが元銀行員らしく、財務分析からJR三島会社の問題点を指摘する。国のミルク補給、税の減免がないと経営が続かない。中でも北海道は、保線費がとても高い上、黒字路線が千歳線だけという。儲かるわけがない。固定費が多すぎ、国がいないと主体的な判断もできない。経営者ができることはせいぜいコストカットくらい。そのために保線費や人件費が削られすぎた結果、ヤバい体質になった。巻末のJR九州初代社長のインタビューが楽しかった。水戸岡鋭治を参加させ、ビートルを就航させたアイデア経営者だけあるなあと。新書一冊分になってしまうので割愛したというが、むしろこちらを一冊の本にすれば……という気も。北海道問題に全くスポットが当たっていないのも残念。北海道勤務経験もあるし技術屋。この人に北海道の経営をお願いしたらいいのにと思う。「JR崩壊というタイトルでインタビューされるのは嫌だ」という気持ちもわかる。やや気の毒。

日本ウイスキー 世界一への道 (集英社新書)」はサントリーのチーフブレンダーが書いたウイスキーの製法書。かなり珍しいカテゴリーだけど、ウイスキーに関する自分の知識が浅いことを知るいい本だった。樽で保存するなんて19世紀の話で、スコットランドみたいな伝統を重んじる蒸留所以外ではやらないと思っていた。ところが、サントリーはもちろん、世界中の蒸留所でウイスキーは今も木樽で熟成させるのだという。木の香りが交じり合い、適度に揮発することであのふくよかな香りが生じるのだそうだ。また、私はウイスキーをそれほど愛飲しないが、香りが台無しになるので、ストレート以外は邪道だと思っていた。でも、ウイスキー出荷の段階でかなり加水するのだとか。じゃあ、別にいいのか。

今月一番面白かった本は「ニクソンとキッシンジャー - 現実主義外交とは何か (中公新書)」。
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