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11月の新書オーバービュー

11月の新書は、教育行政というか、教育委員会が出てくる本が多かった。教育問題が好きな安倍内閣が本格的に教育に触り始めたからだろうか。岩波の2冊が厳しく、中公ラクレの2冊が擁護的な感じ。市民自治の原則だった教育委員会を、文科省と教員に固まりがちになることについて、どう評価するかがポイント。身内意識の強さで隠蔽体質になるか、「教育一家」意識で結束するチームワークと捉えるか。いずれも内容は比較的充実している。

いじめ問題をどう克服するか (岩波新書)」は、いじめ問題の第一人者である尾木ママの本。大津いじめ事件検証の第三者委員を務めた経験を交えて、いじめ対策を書いている。この人がえらいなと思うのは、いじめた側であれ、いじめられた側であれ子どもを守ろうというスタンス。文科省がいじめ発生の報告義務を課すようになったが、皮肉なことに、余計な仕事を抱えたくない学校は、いじめ認知に消極的になる。いじめはあっても、認知しないから、「ない」ことになっている。という一般論もあったが、大津市教委の対応は余りにお粗末だった。自殺直後、事実解明はせず訴訟対応を優先する。適切なマネジメントがなければ、いじめは発生する。教員や学校による予防、子どもへの指導、早期解決こそ重要だと訴えている。子どものいじめ以上に、大人のいじめ対応に問題ありということだ。

教育委員会――何が問題か (岩波新書)」でも、教員だけで固める密室体質、文部省と教委の上意下達の仕組みを批判している。

ラクレの2冊は、教員集団に割と好意的。「教員採用のカラクリ 「高人気」職のドタバタ受験事情 (中公新書ラクレ)」では、正規採用を希望する非正規の講師に、校長や教頭が面接指導をしている話が出てくる。後進の指導に熱心なのだという。度が過ぎて、大分や福岡で不正作用があったことも併記しているが。また、「文部科学省 - 「三流官庁」の知られざる素顔 (中公新書ラクレ)」では、文科省本省でも親が教員という職員が多く、「教員は身内」という意識が強いという。寺脇自身も父親が鹿大医学部教授だった。30都道府県にキャリアが出向するのは、上意下達ではなく、地域で学ぶためだとしている。本書は読むと非常に面白いが、新藤「教育委員会」を読んだ後だと、文科省に寄った内容だなと感じる。当然ではあるのだが。

そのほかで面白かったのは「TVディレクターの演出術: 物事の魅力を引き出す方法 (ちくま新書)」。テレ東のバラエティディレクターが書いた番組制作の手順の本。くもじいやテレビチャンピオンを作っているそうだ。映像の世界はやっぱり大変。「作りこむ」とは何か、教えられる。おもしろい絵を撮るのがいかにしんどいか。印象に残るのが、きちんと台本を作った上で、でもやっぱり台本通りではつまらない。登場人物(ほぼ素人さんだが)が、台本を微妙に外す時に爆笑を生む。台本を書くから、奇跡のようなハプニングが生まれるという言葉が印象的だった。

ただあくまで何となくベースだけど、今月一番面白かったのは「文部科学省」かな。かなり文科省の肩を持っているが、批判されるぎた嫌いもあるし、全く知らなかった省内の文化や、文教族のいい側面も知ることができていい本だった。
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