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危機の女王エリザベスⅡ世




在位60年を超えたエリザベス2世の生涯を、公私にわたるエピソードを交え紹介している。野生の白鳥は国王のもの、サッチャーとの微妙な間柄、夫・フィリップ殿下の奇矯な言動と不幸な前半生など、知らなかった話が大変多いが、最も驚かされたのは、ダイアナ妃への厳しい評価だった。

ダイアナについて、我々は「純粋で、王室のしきたりに適応できず」「エリザベスにいじめられたのではないか」とすら見ている。だが、著者はそれに異を唱え、王室記事について、一切否定したり肯定したりの声明を出さない王室当局のあり方もあるし、王室を積極的に擁護するメリットもないため、ダイアナとチャールズの不和が報じられるようになると、ダイアナがかわいそうだと側の見立てが正しいという風潮になっていった。

著者はダイアナについて、「病的なまでの執着心があった」と指摘する。公務を優先する(当然だが)チャールズに激しく嫉妬し、チャールズの側近を次々に解雇させた。ウィリアムを身ごもったまま階段から飛び降りようとしたり、公務を「気分がすぐれない」という理由で欠席するダイアナをチャールズは「ヒステリックで奇怪」と理解し、カミラと復縁した。ダイアナは現代的でファッショナブル、チャールズは伝統的で自然を愛する。著者は「どちらも相手に合わせる度量がなかった」と評する。

この後、さらに著者の筆は厳しくなる。ダイアナの愛人は次々と彼女を裏切る。愛人を見る眼がない。しかも、こともあろうに彼女自身が夫婦間の不和を「ダイアナ妃の真実」で暴露してしまう。「プライベートは公にせず」の掟に反したダイアナは別居した。ダイアナに不品行は更に進み、王室の義務を果たさず、自身の写りが良い慈善活動ばかりに参加する。慈善活動は自身が汗するものではなく、現地で写真を撮ってもらうことを意味した。さらにテレビインタビューで王室批判をするに至り、女王は離婚やむなしに傾いた。交渉の末、ダイアナは「皇太子妃」号保持と賠償金29億円という有利な条件を引き出した。

1年後のダイアナ死去で、英国中が号泣し、悲嘆にくれる中、無関心を装う女王に国内の批判が殺到した。女王はダイアナの実際を知らない一般市民がダイアナに深い敬愛を抱いていたことを読み誤っていた。イギリスのメディアのトップを連日飾ったイギリス最高のセレブ・ダイアナを失った喪失感を埋めることができなかったのではないか、と著者は指摘する。

ダイアナへの敬愛と真の姿。意外ではあったが、王室関係者は彼女が「目立ちたがり」であったことを知り、冷めた目で見ているのだと驚いた。ただ、ケンブリッジ公とハリーにとっては最高の母であったに違いない。家庭的で子育てにも協力するケンブリッジ公は、両親を反面教師に、また母親に学んだのだろう。そして、王位継承者を遺すという意味では、彼女は最低限の「皇太子妃」の仕事は果たしたのではないか。不幸とお重苦しさに彩られた国王室のプライベートにおいて久しぶりに純粋に幸せそうなカップルと、ジョージ王子に今後も幸多かりしことを願うが。
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